線香花火
                詞/曲 とも


指先から舞い散る花びらを二人は覚えている?
消えないでいてくれるだけで
君の横顔 ずっと眺めていられた


夕べの雨の忘れ物 跨いだ水たまり
ゆらめく鏡を通り過ぎる 白い入道雲
いつもの聞き慣れた声に泳いだ目線の先
離れた場所から手を振る笑顔は浮かない色して


どうしたの、変だよ?
"花火を見に行こう"ってこの日を楽しみにしていたはずだよね


星空に広がる花模様 二人遠ざけてゆく
想いを紡いだ言葉など容赦ないほどかき消して
今にも離れそうな繋いだ手 もう一度強く握れば
どこか淋しげに目を伏せた 君の横顔 ずっと眺めていたんだ


優しい夜風に吹かれて 並んで歩く道
無邪気な子供達の声誘うのは線香花火


なんだか懐かしいね あの頃を思い出すね
戻れない二人を見つけた気がした


溢れ落ちた雫 心の結び目ほどいてゆく
無理をしてまで笑わないで 思わずその腕引き寄せた
指先から舞い散る花びらは夏の終わりの合図
抱きしめていてあげる事で 君の涙も分かち合えたら