太陽に照らされながら 優しく降るその雨は
地球の渇きを潤すように 果てしなく降りそそいでいた
隣に並び歩く君の顔を伝い流れる雨
涙にも見えるその雫 地球の汚れを落としてゆく
この地球のすべてを知っているかのような
我が物顔の生物に 雨は降りそそぐ
二つ並び伸びる影法師 二人の距離を示すようにその手は繋がれぬままで
君の頬を染める赤い太陽はすべてを知っている
恥じらい覚え 我に返る
時計の針が進みて 街は装いを変えて
光り始める地球にも 優しい雨は降り続いていた
昼よりも明るい街に 静かに降るその雨は
協奏曲のように 美しい音色を奏でていた
蝉時雨をかき消して 光に照らされて
雨は降りそそぐ 美しく強く
やがて太陽が現れてこの街に朝が来ても その雨が止むことはない
その姿はまるで空が流した涙のようで
悲しい色をしていた
雨が奏でるその旋律に人々は吸い込まれて 自分の愚かさに気づく
そして天を仰いで空に祈りをささげたとき
優しい雨が降り止んだ