ハッピーロード黙々と下向き歩を進めたのです。
浮かれアベック連中が不思議そうに見るので、
僕はおもむろに血を吐きそれをひとつの返事としたのです。
真ッ赤なソレイユ
真夜中は常に僕の後ろから襲いかかるのです。
「怖くない怖くない怖くない怖くない」って呟いて、
誰も見てないってわかって帽子目深にかぶるのです。
それでどうなる訳でもない。意味なんてない。
真ッ赤なソレイユ
ここ一月程おかしな咳が止まらない僕は、
甘いお薬から苦いお薬へと代えられて、
「結核なら良い」 しなやかに消えて無くなれるでしょうに。
それでどうなる訳でもない。意味なんてない。
真ッ赤に染まってるソレイユは、例えばそう、
塩化ビニールのレコードみたいです。
食べるものを探して部屋の中を歩き回ったけれど、
何も見当たらなくて仕方なくて血を売ることにしたんです。
パンの為に血を売るのか、血のためにパンを食べるのでしょうか。
真ッ赤なソレイユを一体誰が見たんだ?