Endart
波の音以外一切何も響かない青い世界
今までいくつもの物語の始まりと終わりに選ばれた舞台

意味なんてないよ なんとなくね
ただ来たくなっただけ
上手くない言い訳でごめんね


あの日並んだ距離を今も縮められずにいるよ
同じ歩幅で続く足跡
白く割れる波に消されて


季節の匂いに高鳴って高鳴っただけ締め付けられる胸
一人じゃこせない季節につぶされそうな痛みに震える影を一人抱いて

泣きたいのに泣けない度にね
度に本当の帰りたい場所を思うよ


あの日見つけた思いをまだ伝えられずにいるよ
伸ばす右手で触れられそうな距離を越える言葉探して


一つ青くにじんで

一つ白くぼやけた

全部青くにじんで

全部白くぼやけた

海が全部溶かした

空に全部消えてった

波だけがずっと見ていた


あの日並んだ距離を今も縮められずにいるよ
同じ歩幅で続く足跡
白く割れる波に消されて