ライラック
詞・曲 尾崎 窓

あの日君がここで僕を呼び止めたね
夕陽に染まる君が遠くなっていく
「ごめんね・・・。」
「ごめんね」だけがサヨナラで
無理して笑って顔を上げなよなんて

君はすれ違った街の人の様に俯いて振り向く事無く消えていったね
秋の空と黄昏 暮れなずむ夕陽は
慰めの言葉なんて持ち合わせてない

飾り気のない二人の椅子は長さの違う脚でふらつく
そんな二人に気付いた時既に僕は夢を見過ぎていたのかもね

君の声はもう聴こえないはずなのに
思い出の街道すがらまた耳を欹てる

忘れたつもりで歩いてきた 歩幅も疎らな孤独の轍
あの日と変わらぬ秋風がいつまでも君を映してしまうから

僕はライラック色の宵闇に包まれ蘇るセピア色に泣きました