夕暮れの甘い風 街を駆ける一陣のオレンジ
肩にひらり金木犀 これはきっと太陽のかけらだ
ありがとう さよなら また明日きっと
この世界で会おう
手を振ることもできないまま
駆け足で幕は下ろされて闇の中
置いて行かれたわけじゃないよ
そっと肩を叩いた 金色の雫
夕暮れの長い影 屋根の谷間に沈むオレンジ
無数の「帰りたい」を呑み込んで こんなにも大きく膨れた太陽
ただいまも おかえりも すべて受け止める
あの窓を目指そう
手を振りながら急ぐ帰り道
息を切らして 夕日の色に頬を染めて
あの日も今も変わらないよ
今日の終わりをささやく 金色の雫
燃え上がる空をながめて 帰るべき窓を思える日々
目もくらむほどの幸せを乗せて
甘い風よ どこまでも 遠くまで
満ちわたりますように
ありがとう お疲れさま またきっと
この街で会えるさ
見送ることもできないまま
駆け足で過ぎてしまった夏の日
置いて行かれたわけじゃないよ
秋の薫りがそっと肩を叩いた
手を振りながら急ぐ帰り道
息を切らして 夕日の色に頬を染めて
あの日にはもう戻れないけど
ふと立ち止まる冷えた肩にほら 太陽の雫