夏の果て
夢は夢 見るだけでいい
呟いて 砂を握った
満ちてゆく サイレンの音
照り返す 真夏の日差し

交差する 笑顔と涙
焼きつけて光るスタジアム

頑張ったとか よくやったとか
言葉は日々を振り返るだけ
届かないこと わかっていても
はかない望み 抱きしめていた

季節の果てに 理由などなくて
真っ白い道が 残される

夢なんて 見ればせつない
金網の 向こうとこちら
グラウンドは光あふれて
あまりにも 遠い光景

駆け巡る 背中のナンバー
そう きっと あれは翼だ

信じてたのか 求めてたのか
今となっては 答えなどない
もしかしたらと 心の奥で
ただひたすらに ただ密やかに

過ぎた季節に 意味はあるのか
わからぬままに 明日が来る

何度でも 飛ぶ夢を見る
頼りない翼 かかえて

見たくないんだ 忘れたいんだ
力のかぎり叫んでいても
その苛立ちが その激しさが
紛うことない 永遠なんだ

実らなかった季節の果てへと
延びゆく道が 今ここに

夢はまだ 熾火のように
胸の奥 灯り続けて