「北風MHz」
時計台の下で 唄う二人の影揺れる
風は吹いている 季節の変り目の風が吹く
音楽(おと)は凪がれて消える
短波ラジオ 胸ポケットに入れて行く 駅前通りを
二人の影は 時計台と共に消え
全ては ノイズと共に 消えたのだ
風が撫ぜてゆく 嘘みたいに撫ぜてゆく
涙を拭けよ
送信(トバ)セヨ、発信セヨ 世界放送!
俺の歌は消えない
夜の闇を射抜く
北風に乗って飛べ
君の心の受信機(ラジオ)から鳴り響け
キコエマスカ? コチラ、北風MHz
キコエマスカ! コチラ、北風MHz
未来へ、過去へ、吹け
『運命(さだめ)を変えてくれ』
この唄が生れ出る事の無き過去を
この唄を歌うべき事の無い未来を
俺の歌は消えない
夜の闇を射抜く
電離層を伝ってゆけよ
君の心の受信機(ラジオ)から鳴り響け
キコエマスカ? コチラ、北風MHz
受信セヨ! コチラ、北風MHz