決壊
その影を隠して
立つ、硬い壁の向こう
目を閉じ、その下
またそこに座り込んだ
「自嘲」
見上げても
交差、妄想の世相

黒い 「かつては」  片面 「無かった」
とかく テレビを つけ 倣う 子供
黒い 「閉ざす」  枠線 「死線」
不確定終わらす、夜、更かすあの子

実際の所は 
何も託さず視線を手繰りだす
三途の川を渡る
土台の無い楼閣の僧を攫い
そして
門の人
去ろうとして
笑おうとした

「語る」 渡せ 「死す」
とかく 定理を付け 狙う言葉
さあ 「覚醒」 かざせ 「かざせ」
深く定義を 揺さぶる その音

内容たちは 小雨の中で
なんとも無く 止まり行く
うっすらと差し込む
その太陽の下
波立つ  何が?
波立つ  何が?
何か。

重ねたその手を
始まりと終わりの在る方向へ差し出し
そっと力をこめて押してしまえ
そうすれば 其処の脆い隔壁は
崩れ去る そして、流れ出す

深い色に
染まった高層ビル
「決壊した」
髪をとかした様な
夜の下
「深い情操」
鍵を壊した
扉の外
「一切を砕く」
深い色に
染まったその眼の奥
「赤い焦燥」