冬眠
泳ぎ方忘れ 重い肩 
さする手の置き場所を猫が見ていた
通りは誰もいない 独り言 
吐く息が白いことを改めて見た
今日知った もう取り戻せないと
もう一回喜びを探してもいいの
星空は高い向こう 遠く 
憧れることはもう二度とは無いことだと
持ち堪えるのに精一杯だから
取り敢えず来た道を忘れないように

探し物はきっと箱の中
探すことを忘れて時間に任せ
ここには何もない そんなこと
思いながら毎日時間と流れ
ああどうか見つけられなくていい
ああそうか日に日に日が長くなっていく
少しだけ長い冬の中で
ふとした瞬間だけ暮らしを感じたいだけ
抱えることで精一杯だから
取り敢えず来た道を忘れないように