机上と空論
今、声に出しても
うまく聞こえないように
抜け落ちてゆくその言葉と色は
干渉されて意味を捉える

雨を待つビルの屋上で
見下ろす景色がやってきて
閉じようとしているのに
僕の眼はどこを見ている?
消えて浮かぶ気球のように
真直ぐに撃ち落とされたのさ
まだこの部屋にいて

そうやってみんな僕を追い出したの
そうやってみんな僕が追い出したの
ほら、忘れていないことと
ほら、覚えていないことが
胸の奥で動き始める

雨を待つビルの屋上で
見慣れない空がやってきて
怖がっているのに
今それを手にしている
揺れて浮かぶ水面のように
真白な傷をなぞりたいのさ
ほら、世界はバースデー