夏宵
夕立が 駆け足で 通り過ぎて
涼風が 項を 優しく撫でる
真昼の日照りも 一息ついて
遠くで 花火の はじける音
浴衣の 君は 少し 素足の 裾を 気にして
抓んだ指 そのまま僕に そっと絡める
宵闇に 仄白く 滲んでいる
君の顔 飽きもせず 見つめていたい

幾度も 逢っているのに 逢う度 増す 愛しさ
十六夜月 昇り始めて 夜はこれから 
何度でも 伝えたい 溢れくる想い
君のこと いつまでも 大切にしたい
君の手を 握りしめ 夢なら醒めるな