作詞・作曲 田口翔一朗 2004年8月完成
振り下ろす拳 世界を裂いて放射状に伸びゆく蜘蛛の巣に
自ら掛かる哀れな住人を蝶が静かに嗤う
壊したいのは鏡じゃない その奥に生きるこの僕だ
溢れ出す血は痛みを連れ 価値の無い僕をも生かす
「ようやく出逢えたね」 この伸ばす手を悉く逸れ羽霞ませる
いつでもそうだ 目指した光 眼を開いて両手伸ばしても
それは揺らいで掴めど消えていく
足跡から立ち上がる影 走り疲れた僕を追いかける
振り返るのを恐れる僕は 軌道を外れ気付けば今
ここに独り道を失くした
描いたものに捨てられて 造ったものの影に追われて
また縋るのはこの弱い僕 溢れ出す血を止める脆い嘘
振り下ろす拳 世界を裂いて夜を塗り潰していく
壊したいのは鏡じゃない その奥に生きるこの僕だ
流れ出す血は痛みを連れ 価値の無い僕をも生かす
振り下ろす拳 世界を裂いて放射状に伸びゆく蜘蛛の巣に
自ら掛かる哀れな住人を蝶が静かに嗤う
壊したいのは鏡だろう 映し出した世界とその嘘を
突き刺さる硝子 今になって気付いたよ まだ痛む事
流れ出す血は止まらなくても また自分の瞳で空を見た
流れ行く雲 その行方なら、まだ
現実とは不確かな物だろう 滲む景色を溶かす通り雨
輝く物の後姿を捉えた気がした午後