空宙ブランコ
不確か確か 巡って巡って
物珍しげなモノに目移り
不確か確か 巡って迷って
飽きがきた頃には戻れなくなった

過ぎ去る人 目を留める人
色んな人の声が聞こえてくる
「助けようか」
「いや、寄るな」
「やめよう」
何度も聞いた また飽きてきた

迷った場所はどこだっけ?
たしかそこを右だったはずだ
戻ろうにも戻れない
目印を付けておくべきだった

「その両の目は何を見ていたいの?」
「その両耳は何を聞いていたいの」
分からないまま
いつも宙ぶらりん
「その両足でどこに向かいたいの?」
「その両の手で何を掴んでたいの?」
答えられずに
いつも宙ぶらりん



興味本位 奥へ奥へと
進んできたのは確かに自分だ
そろそろ出口のハズなのに
目の前にあるのは「進入禁止」

不確か確か巡って巡って
見渡せば同じような人がいる
何かを求め背中丸くして
その眼は虚ろな眼をしている

多様な格好でも紛れもなく同じ迷い人
大袈裟に言えば瓜二つ
まるでドッペルゲンガー

「その両の目はどこを見ているの?」
「その両耳は何が聞こえてるの?」
持っていた解答用紙はどこかのゴミ箱
「その両足はどこに向かってるの?」
「その両の手は何を掴みたいの?」
不安材料たくさんの日々だ
宙ぶらりん



「その両の目は何を見てきたの?」
「その両耳は何を聞いてきたの?」
分かれば簡単な事だろう
そんな単純ではないのかも
「その両足でどこを歩くの?」
「その両の手で何と戦うの?」
分からずじまいの日々だ いつも宙ぶらりん


「その両の目で何を見ていたいの?」
「その両耳で何を聞きたいの?」
見つけていけばいい
焦りながらゆっくりでいい
「その両足はどこを歩いていくの?」
「その両の手は何を満たすの?」
分からないまま それでいい
宙ぶらりん