かぜひきのうた
かぜひきのうた


日がのぼっても電車の時刻が近付いても
起きなくていい
というか起きれもしない

後から見たら
ダメな自分を治すために必要な日か
それとも無駄な一日か

咳が続いて
体の回りが薄い膜に覆われてるような僕はベッドの上

ここから見たら
普段は手が届く本棚も
随分と背が高いもんだなぁなんて

カーテン閉めたままの僕の様子は
誰にもわからないでしょ?
でもこんなとき困るなぁ

風邪引いたよって言ったら
すぐに遠くから来てくれたね
ごめんねって謝る口癖に苦笑いする君の顔が浮かんだよ


熱があるのか
それともいよいよヤバいのか
思い出したよ 前にもあったこんな日を

片付けなんか全然してない僕の城が
起きたらすっかりキレイになっていて

君からしたら
ダメな僕を直すことで
喜びを感じたりしてくれてたのかな

カーテン開けた窓は眩しいけどさ
近くから君の音がするだけで心強いよ

風邪引いたよって言ったら
すぐに遠くから来てくれたね
心配そうにしてるあの顔に
どうやら僕は甘えたいのかもしれない


風邪引いたよって言ったら
不安にさせちゃうでしょ?
隠し事はしないって約束も守れそうにはないな
なんて考えてたまに嘘ついたりもしてた
なんか懐かしいな
例えそれが昨日でも何故かずっと前のこと
でも昨日じゃないから
ずっとずっと前のこと


風邪引いたよって言っても
近くに住んでても
もう遅いんだね
こんなことならもっと心配かければよかった
もっと甘えればよかった

風邪引いたよって言ったら
すぐに遠くから来てくれたね
ごめんねって謝る口癖は
優し過ぎる君のせいなんだからね
ごめんね、本当にありがとうね
でもごめんね