怖れていた時が来た
真っ赤な空に一閃の青い光
今日も電波塔からの通信
“共に過ごす人と最後の夕焼けを”
感覚が混じるように
幸福と恐怖に襲われる
いつもと変わらないその横顔も
本当は違うってこと
ずっと言えなかった
心の奥の方に仕舞っていた言葉を呟いた
君は僕に微笑んで
「知ってたよ」
夕焼けが君に映った
飛行船の飛ぶ空も
せわしなく泳ぐ電波も
もうこの街には戻らない
君と笑う未来だって残ってない
伝えるには遅すぎたのかな
「もう怖くはないんだ」
君は前を向いて呟く
ずっと何も変わらずそこに在った
本当の君を見つけた気がした
目の前の風景が崩れていく
僕らの過去が散らばる街も消える
隣りの君の手を握った
もう怖くない
さあ 最後を迎えよう