やさしい歌を聴かせておくれ
さみしくてたまらないんだ
たいした傷も悲しみもないけれど
やましさが募って乾いてしまった
僕らはまるで獣のように愛し合ったこともあったっけ
絡み合ってやがて溶け合って
いつしか花のようにしぼんでこぼれた
ひとつ何かをなくして
ひとつただ季節が過ぎる
ただわけもなく恋しくて
やさしい歌を探す
いつか朽ちてしまうその前に
どれだけの後悔と嘘を重ねるのでしょう
すべての涙が報われることはないけれど
それでも僕らはきっと涙を流す
悲しい歌があまりに綺麗で苦しいんだ
アスファルトとこの空の間に何もなくて
ただ苦しいんだ
ひとつ季節が過ぎて
ひとつあなたを忘れる
ひとつさよならが過ぎて
あてもなく誰かの名前を呼ぶ
幾千の懺悔よ 幾万の夜明けと夕暮れよ
幾億の銃弾よ 幾兆のか弱い光よ
悲しみはまるで寄せては返す波のよう
真冬の風に身を晒し
ただ待つ。ひとすじの光
いつか荼毘に付され塵になるそれまでに
どれだけの悲しみを
どれだけの本当のことを
どれだけの言葉をどれだけの言葉にできないものを
僕は君と重ねていけるのでしょう
花は咲き そして日は昇る
例え灰の中でも
ふぞろいな僕らはただすがる
やさしい歌にただ目を閉じる