猫のなまえ
あいまいに叫んだ後に  
そこらにあるものをなげつけた
難解なこの気持ちを 
分からせようとして失敗したんだ

その場しのぎでボクをだきよせ 
言葉をふさぎ体でふせぐ
当たり前にくりかえしたことが 
今となって形をあらわす

どうだうまくやれるもんだろう
あっけなく日常はのみこむボクさえも
やっぱりだから口にしないから
イミのなかったことにしないで


さよならボクのいとしい 
めじりにしわのよる女の子


猫の名前はサムエルリンゴ 
いつのまにか君のものになってた
ボクがなでようとすると 
かみつきながらぶらさがる

見守って笑われるくらいなら
ころしてしまえばよかった
リンゴに罪はないのだけど
ありありと思い出し君を


さよならボクより手のおおきい 
ピアノがうまい女の子