Spanish Rose
花売りの季節 街は踊るパレード
捜してみせてよ はやく、はやく
宵に捨てられて泣かされたぶんだけは
取り返させてもらうからね

ずっと一緒だと気安く思ってた 奇麗に咲いたのは九月
見初められ買われて窓辺で笑ってた それだけでいられた九月

ねだられるまま咲いてみせたのに

いつかは萎れると分かっていたけれど 怖くなったのも九月
あれほど囁いた言葉が減ってゆく 遠くなったのも九月

涸れた花瓶でまだ咲いているじゃない
ねえ、ほら振り向いてよ ごらん、奇麗でしょ
どうして何も云ってくれないの

色づいた舗道 冬になればまたどうせ
すぐに淋しくなるくせに いつも
花売りの季節 今度は何度めなの
近づける慣れた口許

花は見られて花だと呼べるもの
枯らして捨てたでしょ、なんて酷いひとだ
謝るより先に悔やんでよ

花売りの季節 自堕落が誘う街
見つけてほしいの はやく、はやく
気づいて貰えたその日だけは特別に
素敵に優しいけれど、そうね優しさが罠だった