『飼育箱と女と青虫』
飼育箱と女と青虫
作詞作曲/ART

飼育箱で生まれた綺麗な女が
とびきり憧れたのは
汚れた葉っぱに群がる小さな青虫だったらしい

幸せを感じるベクトルは
いつだって他人じゃ測れない
隣の芝生は青すぎて
砂漠の蜃気楼みたいなもんさ

望んでいる明日を誰かに映してるだけじゃ
羽は生えなくて
声はただ原っぱに響いた ただ空っぽに響いた

飼育箱で生まれた綺麗な女は
あれも違う これも違う そう言って
他人の真似ばかりしていたら人形みたいになっていた

幸せを比べる天秤なんて
そんなものあるわけないでしょう
自分の居場所や大事なもんは
自分で見つけてなんぼのもんだ

望んでいる未来を誰かに託してるだけじゃ
羽は生えなくて
声はただ空っぽに響いた 振り向かれることもないまま

となりで小さい青虫は
さなぎになって 背中が割れて
眩しいくらいに 空高く
羽ばたいて 飛んでいったんだ