まだ少し時間があるから
お別れを言いたくて来たんだ
この街には二度と戻らないから
真冬の並木道 人目引く椿の奥に
ひとり花開く冬の桜
時を越えた春が
僕の心を暖める
秋深いころ人知れず芽が生まれ
つぼみをふくらませて
冬空に稟と咲き命を歌う
僕の命の咲くときは僕が決める
生きてゆく証はこの胸の中に流れる熱い望み
人の流れに沿うことはできても
流れの下に埋もれて生きたくはない
僕には僕だけの花咲く季節がきっとある
今まで幾たびの冬を 傷ついて迎え
冬の桜の下で自分の強さを取り戻しただろう
粉雪まじりの木枯らしが花びらを運んでゆく
その先を見るためにぼくは今旅立つ
僕の花咲くその時へと
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