赤い長靴を履いたあの子が今日も
ひとりぼっちで誰かを待っている
呼吸するように大地が鳴り出して
風に煽られて傘が飛んでゆく
悴んだ両手を合わせて雨を摑み
こぼれ落ちた涙と雨がリフレインしていく
壊れたはずの瞳は本当はまだ温かくて
手を差し伸べて欲しいのに怖くて言えないの
赤い長靴を履いたあの子が今日も
ひとりぼっちで誰かを待っている
遥か続く道行き交う人もなく
山から山へと移る秋雨
壊れたはずの瞳は本当はまだ温かくて
手を差し伸べて欲しいのに怖くて言えないの
悲しみの果てに架かる七色の虹は空を駆け
手を振るように木々は揺れ木漏れ日の中を
あの子が消えてゆく