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我輩は猫である 第2回(任侠編)
2021年3月02日 yukio
我輩は猫である。名前は無くは無い。
姓は眼(ガン)、名はタレオと云う。
我輩のご主人様の隣の前髪が白髪だらけの男が勝手につけた名前だが
名前の通り、我輩の目つきは非常に悪い。
生まれつき目が悪くて、物を見る時に目を細める癖があるだけで
別に相手に眼(ガン)をタレてるつもりはないのだが
この習性のおかげで、いろんな勘違いをされたりしたりもする。
みなさんご存じないかもしれないが、猫には1匹1匹縄張りというものがある。我輩のご主人様が我輩より前に飼っておられた猫は
我輩と非常に良く似た三毛猫であった。
ただ違うのは、奴は血統書付きの人間社会で保証された飼い猫であり、我輩はそこいらで野垂れ死して行く野良猫であった。
目つきは違ったが、我輩と何も変わらない三毛猫だが毛艶だけは我輩と違い全然ツヤツヤで、多分トリートメントされてるんだろうなと思ってた。
そんな奴が我輩の縄張りを荒らしに来たのである!!
原因はどうやら ご主人様の隣の前髪が白髪だらけの男にあったらしい。
奴の縄張りはこの ご主人様の隣の家だったのだが
そこで好き勝手にのんびりとこの男の目を盗み、プランターにウンコ垂れ、水道管の上に小便垂れ、玄関前で昼寝をし、やりたい放題だった。
この男はそれに気づき、奴が出入りできないように網(アミ)を張ったのである。
それで奴は自分の縄張りを失い、隣のこの我輩の縄張りを荒らしに来たのである!猫には自分の縄張りを荒らされると、喧嘩をしたくなる本能がある。
奴が来た時、なんだこれは?我輩と同じ顔をしてるじゃないか!(ただし、目つきが違うが、、、)
舐めるなよ!ほんのひと睨みしてやった。(目つきが我輩は得をしているのかもしれない、、、)
そして一言、ドスを効かせて言ってやったさ。
”ニャー”と。奴(ヤッコ)さん、小便ちびりながら家に逃げてったネ。
それ以来、奴はほとんど家から出なくなり、どうやら死んでいったらしい。
可哀想なことをしたもんだが、これもすべて猫社会の掟(オキテ)のようなものだ。奴はいつもこのご主人様の隣の家の玄関前で昼寝をしながら
ウトウトと 前髪が白髪だらけの男が作った、窓から流れてくる音楽を幸福そうに聴いていたその姿は
今も、この我輩の目に焼き付いている。みなさんもどうだ!?
この ご主人様の隣の家の 前髪が白髪だらけの男が作った音楽を聴いてみるつもりはないかネ?
いいと思うぞ。音楽CDを作ってるようだ。なかなか売れなくて苦労してるらしい。
苦労は関係ないのだが、、、
いいと思うぞ、
ぜひ、聴いてみてくれ

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