路肩に車を停め花を採っているおばさん。
ここは国道163号線の三重にちょっと入ったせまーい山道。
草花採集はけっこうなんですがあんたのおかげでダンプと俺のトラッ
クが相互通行できまへん。
ダンプが先に譲ってくれたので手を挙げて先に行かせてもらう。
路上駐車の規制が強化されても、こういう無神経で自分の都合しか考
えない人がいなくならない限り無意味な渋滞は減らない。
あと駐車場のないコンビニ、郵便局、大通り沿いのトヨタなどの車屋
もあっちゃいけない。
あのでかーい車運ぶ車が車線ふさぐからね。
困った時はお互い様、なんて時代じゃもうないのかも。
無駄なく効率よく、シビアでシュールな時代に移り変わっているんだ
ろう。
個人が国、企業を告訴するニュースも昨今じゃ珍しくない、集団で寄
り添いなあなあで解決よりは各個人が力をつけ、被害を被ればしっか
り請求する、「個」の時代。
メリハリが必要だ、個人で解決できるものは個人で、それ以上の力が
必要になれば集団で、お互い一長一短である。
しかし1日車に乗ってるだけで腹立つ事が多すぎる。
怒りっぽくて神経質すぎるのかしら。
こっちが優先道路を走ってるのに横から交差点にすごいスピードで突
っ込んできて急ブレーキ踏むやつ。
こっちがびっくりして止まったらその隙に通ろうという根性がせこい
。
なんて無神経と恥知らずの多い時代だ、必要な常識と無くてもいい常
識はあると思う。
無論その尺度は個人が決めるもので人によりその基準は異なる。
例えば祖母の家に行く、帰りがけに玄関で祖母が俺に小遣いをくれよ
うとするが母親は断ろうとする。
冬場などたまったもんじゃない、さむーい玄関で祖母と母親の押し問
答を黙って見ていなくてはならないのだ。
もはやこっちとしては五千円もらえなくてもいいから暖かい車の中に
行きたいのだが、そうするわけにもいかない。
挙げ句の果てに、いつもそうなのだが小遣いを受け取って母親と二人
で祖母に頭を下げる。
帰りの車の中で無駄遣いしないよう母親に注意される。
何か納得いかねえ、良くないことをしたみたいだ。
人からお金を受け取るというのは、大変ありがたいことなのだが、一
応は俺と祖母二人の間でこの行為は行われている。
関係ない(多少はあるのだが)母親が横やりを入れて断ろうとする(儀礼
的とはいえ)。
よく考えると何が何だか意味が分からん。
多分こういう光景はどこの家庭でも見られるものだと思うが、俺は目
上の人が小遣いをくれるとなると嫌いな人でない限りすんなり受け取
ろうとする。
金が欲しいわけではなくて目上の人の顔を立てるためだ、小遣いをく
れるわけだから無論生活に困っているはずはないし、また俺は小遣い
をもらえば何かの形できっちり返す。
「いいですから」
「まあそう言わずに」
これは無くてもいいんじゃねえかな、貰えないなら貰えないでいい。
んで次は必要な常識、この間も電車の中で自分の家庭の嫁姑問題を大
声で旦那に喚きたてる女がいた。
電車の中っつうのは見ず知らずの人間が狭い箱に押し込まれてガタガ
タ揺られながら、隣の人に気を使いながら目的地までの時間を思い思
いに過ごすある種の緊張がある空間だ。
他人の話などよほど面白くない限り聞きたくない。
しかしその女、傍若無人に自らの葛藤と鬱憤を車内に散水車の如く撒
き散らす。
しかも忘れてならないのは姑とうまくやれない自分の無能さを車内の
人間に自ら知らせていることだ。
んー、死刑。
少なくとも俺が旦那なら即離婚、そもそも結婚しねえか。
冒頭でも軽く触れたが「個」の時代、私は私、人の目なんて気にしな
い。
そういうのが一昔前はもてはやされてた気はするが、TPOはあるでしょ
う。
こんな狭い土地に一億を越す人間が共生してるわけで、否が応でもス
トレスは溜まる。
個もけっこうですが行き過ぎはよくないやね。
もちろんつるみすぎも良くない、バランスバランス。
全く話は変わるが荷物を降ろして大阪に帰る途中、交尾中の赤トンボ
が俺の車のワイパーに引っかかった。
ワイパーに絡まり激しく風に打たれる二匹、とうとう子孫の繁栄とい
う彼らの存在意義さえかなぐり捨て、雄か雌か分かんないけどもう一
匹を置き去りに一匹が中空へ離脱!
残された一匹はなおも吹きすさぶ強風に耐え、脱出のタイミングを計
るが何せ信号の少ない田舎道、あと数百メートルは止まらない。
そのトンボの耐える様子はさながらドラマみたく最後の最後で恋人に
捨てられ、タイミングよく降ってきた雨にさらされるヒロインのよう
。
さすがの俺も不憫に思い、ちょっとだけアクセルを緩める。
すると向かい風が弱まったか、もう一匹も自力で脱出、急浮上し難を
逃れた。
動物が交尾の相手見つけるって大変やねんね、孔雀の雄は羽根を目一
杯広げて雌にその美しさを見せて、雌はその美しさで相手を決める。
牛とかになってくるとホンマのしばき合い、頭突きしまくって勝った
方が嫁もらう。
人間みたいに簡単に交尾はしません、俺達は何て汚いんだー(笑)
さっきのトンボも多分すごい苦労して交尾する相手を見つけたのに私
がぶち壊しちゃいました、すんません↓
ちなみにトンボの幼虫は「やご」って言って口が2つあります。
簡単に言うと上あごがすでに口になっててここから食物を取り込む。
下あごはエイリアンの口みたいに折りたたみ式でにょーんとのびて先
っちょには爪みたいなんがついてて獲物を掴めます。
何でこんなん知ってるんやろね(笑)
ちっちゃい時虫博士って言われてたからね、でも今はセミも触れませ
ん。
電車のガラスとかも実は汚いのにちっちゃい時はなめ倒したりしてた
、無知は幸せ(笑)
話は反れまくったけど社会に出て色んな人に会ったり、色んな場所に
行ったりして世間を知るほどほんまに生きていくのはつらいと思う。
俺がトラックを停める車庫は恐ろしく狭くて、しかも車庫の前は狭い
のに交通量は多い車道。
最近は近辺で宅地開発も進み子供も多く車庫にはまったく向いてない
立地条件。
ドライバー達も停めにくいから帰る頃にはスペースを空けていて欲し
いと訴えているにも関わらず、この間も帰ってくると唯一のスペース
に社長のベンツが!!
「狭いけど気つけて事故んなよ!」
と言ってた本人がドライバーの邪魔をしている。
仕方なくトラックを歩道に乗り上げ停めて、ベンツをよけてもらいに
事務所に走っていく。
社長に頼むと苦虫を噛み潰したような顔で憮然として立ち上がる。
キレそうなのはお互い様なので全く気にせず車に戻る。
すると歩道に乗り上げた俺のトラックのせいで小学校中学年ぐらいの
女の子が自転車に乗ったまま立ち往生している。
その瞬間、俺は他人に迷惑をかけてまで仕事を安全にこなし、そこま
でしなくては暮らしていけない社会の理不尽さを悟って悲しくなった
。
女の子が先に進もうと思えば俺のトラックをよけて一時交通量の多い
車道に出なくてはならない。
俺は車道に出て走っている車に止まってもらい、女の子を通らせた。
もちろん俺の車のせいで急いでいたかもしれない車を止めた。
その車にも深々と頭を下げる。
こんなことをいちいち気にする俺は甘くてセンチな若僧だ、
堂々と生きたければ他人を踏みつけても前に進まなければならない、
勝ち続けなくてはならない。
そうやって強い家族を守れる大人になるんだろう。
でも誰かが言ってた、
「強くなるというのは、何も感じなくなること、ただ単に慣れてしま
うこと」
だそうだ。
それは俺も一理あると思う、
夢を失い大切なはずの自分の時間を持て余し会社に遅くまで残り、
とりとめのない話をする大人達。
俺は社会に慣れ、
染まることが恐い、
恐れている。
そして一生逃げることができないのも社会。
たとえ俺がプロのミュージシャンになり、
普通の人と違う生活をするようになったとしても、
他人を踏みつけて前に進まなければならない時はあるだろう。
甘いと言われても、
俺は自分を失いたくはない。
ギターを弾いて歌っている空間だけが、
何も考えず他人に気も使わない俺の居場所。
ここは国道163号線の三重にちょっと入ったせまーい山道。
草花採集はけっこうなんですがあんたのおかげでダンプと俺のトラッ
クが相互通行できまへん。
ダンプが先に譲ってくれたので手を挙げて先に行かせてもらう。
路上駐車の規制が強化されても、こういう無神経で自分の都合しか考
えない人がいなくならない限り無意味な渋滞は減らない。
あと駐車場のないコンビニ、郵便局、大通り沿いのトヨタなどの車屋
もあっちゃいけない。
あのでかーい車運ぶ車が車線ふさぐからね。
困った時はお互い様、なんて時代じゃもうないのかも。
無駄なく効率よく、シビアでシュールな時代に移り変わっているんだ
ろう。
個人が国、企業を告訴するニュースも昨今じゃ珍しくない、集団で寄
り添いなあなあで解決よりは各個人が力をつけ、被害を被ればしっか
り請求する、「個」の時代。
メリハリが必要だ、個人で解決できるものは個人で、それ以上の力が
必要になれば集団で、お互い一長一短である。
しかし1日車に乗ってるだけで腹立つ事が多すぎる。
怒りっぽくて神経質すぎるのかしら。
こっちが優先道路を走ってるのに横から交差点にすごいスピードで突
っ込んできて急ブレーキ踏むやつ。
こっちがびっくりして止まったらその隙に通ろうという根性がせこい
。
なんて無神経と恥知らずの多い時代だ、必要な常識と無くてもいい常
識はあると思う。
無論その尺度は個人が決めるもので人によりその基準は異なる。
例えば祖母の家に行く、帰りがけに玄関で祖母が俺に小遣いをくれよ
うとするが母親は断ろうとする。
冬場などたまったもんじゃない、さむーい玄関で祖母と母親の押し問
答を黙って見ていなくてはならないのだ。
もはやこっちとしては五千円もらえなくてもいいから暖かい車の中に
行きたいのだが、そうするわけにもいかない。
挙げ句の果てに、いつもそうなのだが小遣いを受け取って母親と二人
で祖母に頭を下げる。
帰りの車の中で無駄遣いしないよう母親に注意される。
何か納得いかねえ、良くないことをしたみたいだ。
人からお金を受け取るというのは、大変ありがたいことなのだが、一
応は俺と祖母二人の間でこの行為は行われている。
関係ない(多少はあるのだが)母親が横やりを入れて断ろうとする(儀礼
的とはいえ)。
よく考えると何が何だか意味が分からん。
多分こういう光景はどこの家庭でも見られるものだと思うが、俺は目
上の人が小遣いをくれるとなると嫌いな人でない限りすんなり受け取
ろうとする。
金が欲しいわけではなくて目上の人の顔を立てるためだ、小遣いをく
れるわけだから無論生活に困っているはずはないし、また俺は小遣い
をもらえば何かの形できっちり返す。
「いいですから」
「まあそう言わずに」
これは無くてもいいんじゃねえかな、貰えないなら貰えないでいい。
んで次は必要な常識、この間も電車の中で自分の家庭の嫁姑問題を大
声で旦那に喚きたてる女がいた。
電車の中っつうのは見ず知らずの人間が狭い箱に押し込まれてガタガ
タ揺られながら、隣の人に気を使いながら目的地までの時間を思い思
いに過ごすある種の緊張がある空間だ。
他人の話などよほど面白くない限り聞きたくない。
しかしその女、傍若無人に自らの葛藤と鬱憤を車内に散水車の如く撒
き散らす。
しかも忘れてならないのは姑とうまくやれない自分の無能さを車内の
人間に自ら知らせていることだ。
んー、死刑。
少なくとも俺が旦那なら即離婚、そもそも結婚しねえか。
冒頭でも軽く触れたが「個」の時代、私は私、人の目なんて気にしな
い。
そういうのが一昔前はもてはやされてた気はするが、TPOはあるでしょ
う。
こんな狭い土地に一億を越す人間が共生してるわけで、否が応でもス
トレスは溜まる。
個もけっこうですが行き過ぎはよくないやね。
もちろんつるみすぎも良くない、バランスバランス。
全く話は変わるが荷物を降ろして大阪に帰る途中、交尾中の赤トンボ
が俺の車のワイパーに引っかかった。
ワイパーに絡まり激しく風に打たれる二匹、とうとう子孫の繁栄とい
う彼らの存在意義さえかなぐり捨て、雄か雌か分かんないけどもう一
匹を置き去りに一匹が中空へ離脱!
残された一匹はなおも吹きすさぶ強風に耐え、脱出のタイミングを計
るが何せ信号の少ない田舎道、あと数百メートルは止まらない。
そのトンボの耐える様子はさながらドラマみたく最後の最後で恋人に
捨てられ、タイミングよく降ってきた雨にさらされるヒロインのよう
。
さすがの俺も不憫に思い、ちょっとだけアクセルを緩める。
すると向かい風が弱まったか、もう一匹も自力で脱出、急浮上し難を
逃れた。
動物が交尾の相手見つけるって大変やねんね、孔雀の雄は羽根を目一
杯広げて雌にその美しさを見せて、雌はその美しさで相手を決める。
牛とかになってくるとホンマのしばき合い、頭突きしまくって勝った
方が嫁もらう。
人間みたいに簡単に交尾はしません、俺達は何て汚いんだー(笑)
さっきのトンボも多分すごい苦労して交尾する相手を見つけたのに私
がぶち壊しちゃいました、すんません↓
ちなみにトンボの幼虫は「やご」って言って口が2つあります。
簡単に言うと上あごがすでに口になっててここから食物を取り込む。
下あごはエイリアンの口みたいに折りたたみ式でにょーんとのびて先
っちょには爪みたいなんがついてて獲物を掴めます。
何でこんなん知ってるんやろね(笑)
ちっちゃい時虫博士って言われてたからね、でも今はセミも触れませ
ん。
電車のガラスとかも実は汚いのにちっちゃい時はなめ倒したりしてた
、無知は幸せ(笑)
話は反れまくったけど社会に出て色んな人に会ったり、色んな場所に
行ったりして世間を知るほどほんまに生きていくのはつらいと思う。
俺がトラックを停める車庫は恐ろしく狭くて、しかも車庫の前は狭い
のに交通量は多い車道。
最近は近辺で宅地開発も進み子供も多く車庫にはまったく向いてない
立地条件。
ドライバー達も停めにくいから帰る頃にはスペースを空けていて欲し
いと訴えているにも関わらず、この間も帰ってくると唯一のスペース
に社長のベンツが!!
「狭いけど気つけて事故んなよ!」
と言ってた本人がドライバーの邪魔をしている。
仕方なくトラックを歩道に乗り上げ停めて、ベンツをよけてもらいに
事務所に走っていく。
社長に頼むと苦虫を噛み潰したような顔で憮然として立ち上がる。
キレそうなのはお互い様なので全く気にせず車に戻る。
すると歩道に乗り上げた俺のトラックのせいで小学校中学年ぐらいの
女の子が自転車に乗ったまま立ち往生している。
その瞬間、俺は他人に迷惑をかけてまで仕事を安全にこなし、そこま
でしなくては暮らしていけない社会の理不尽さを悟って悲しくなった
。
女の子が先に進もうと思えば俺のトラックをよけて一時交通量の多い
車道に出なくてはならない。
俺は車道に出て走っている車に止まってもらい、女の子を通らせた。
もちろん俺の車のせいで急いでいたかもしれない車を止めた。
その車にも深々と頭を下げる。
こんなことをいちいち気にする俺は甘くてセンチな若僧だ、
堂々と生きたければ他人を踏みつけても前に進まなければならない、
勝ち続けなくてはならない。
そうやって強い家族を守れる大人になるんだろう。
でも誰かが言ってた、
「強くなるというのは、何も感じなくなること、ただ単に慣れてしま
うこと」
だそうだ。
それは俺も一理あると思う、
夢を失い大切なはずの自分の時間を持て余し会社に遅くまで残り、
とりとめのない話をする大人達。
俺は社会に慣れ、
染まることが恐い、
恐れている。
そして一生逃げることができないのも社会。
たとえ俺がプロのミュージシャンになり、
普通の人と違う生活をするようになったとしても、
他人を踏みつけて前に進まなければならない時はあるだろう。
甘いと言われても、
俺は自分を失いたくはない。
ギターを弾いて歌っている空間だけが、
何も考えず他人に気も使わない俺の居場所。
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