Sep27
眠りの前の至福のひととき
2006年9月27日 ロックの生贄奮闘記
寝る前に何を聴きながら寝ようかいつも考える。
作曲にのめり込むようになってからBGMとして音楽を聴くことはなくなった。
聴く時はこれ、って思ったやつを部屋真っ暗にしてヘッドホンで爆音で。
つまり起きてる時は意外に思う人もいるかもしらんけど、普段ほとんど音楽聴きません、聴く時は勉強ですね。
起きてる間はだいたい何か考えごとをしてて、雑音があると集中できない。
眠りにつくまでの時間、1日にやらなければならない事をあらかたやり遂げて何も考えずに音の世界に沈み込める至福の時間。
昨日はベンフォールズ5、男性ボーカルとしての迫力、荒々しさに加え女のようにか細い繊細なファルセット。
そしてピアノボーカルである彼の弾くピアノは自慢のおもちゃで遊び回る少年のように無邪気で軽快だ。
その類い希なるボーカリストをガッチリ支える百戦錬磨のテクニックを誇るリズム隊。皆さんもどーでしょ、秋の夜長にベンフォールズ5、唯一無二のバンドで楽しめますぜ。
楽しく眠りにつけるけどぐっすり眠りたい時はイエローモンキー、重厚かつ濃
厚な音楽が深い眠りへと誘います、もう何回聴いたか数えきれんなー。
俺がロックに目覚めたのは16歳の冬、その頃はバンドをやっていたものの甘ったるーい恋の歌が大好きで、ミスチルのカインドオブラブやグレイのビラブドなんかがヘビーローテーション。
だからまだミュージックステーションなんかも見てて、ちょうどクリスマススペシャルの時にイエローモンキーが出て楽園を歌ってた。
なんていうかね、とにかく衝撃やったよ、楽園っていうとイエローモンキーのもう後期にさしかかる曲やけど包み込むような優しい歌声の中に自由を求める切実な思いとこの世界の不条理に振り回される人間の儚さみたいなものが込められてて鳥肌が立った。
ながーくバンドをやってきて歌い続けてきた者にしか歌えない、円熟と深みのある吉井一哉のボーカルとステージング。
歌い終わって「メリークリスマス!」あー、今思い出しても涙が出そう。
で、クラスメートにイエローモンキー好きがいたんで当時出てた二枚組のベストアルバムを借りて狂ったように聴いた。
彼らはグラムロックがバックボーンにあると思うけど、その一見煌びやかで耽美な世界の裏にある人間の狂気や汚さ、極端な美と醜悪を持った世界観が思春期真っ盛りなナルシストボーイやった俺にはマッチしたんやね。
あと吉井一哉の白昼夢を思わせる非現実的な歌詞もほんとに今でも好きやね。
そっち系でいくとベストスリーはアルバムシックスより「花吹雪」スマイルの「争いの街」8の「ハートブレイク」かな、薔薇娼婦レイナやサイケデリックブルーもええね。
そんな感じでイエローモンキーキッズな高校時代を送って大学受験中にブランキージェットシティと出会う。
これはなんとなしにレンタルCD屋に入って目に留まったのが彼らのベストアルバム「国境線上の蟻」のジャケット。
裸のおっさん三人がヤンキー座りで煙草をふかしてる絵。
「ありえねえ、よしこれだ!」
それで借りる俺も俺(笑)その中で聴いた「悪いひとたち」ロックを愛する者にとっては聖書のような曲だろう。
延々と続く循環コードの中物語のように世界の刹那の美しさ、多くの犠牲の上に成り立ってきた文明、しかしそうすることでしか生きていけない人間の汚さ、業の深さを歌っている。
そして聴いているうちに悪いひとたちっていうのは自分たちのことだと気づかされる。
他にもレトロな雰囲気の中にも斬新さを感じさせる独特なサウンド、奇抜な歌詞、曲によって幾重にも姿を変える彼らの音の世界、絶望、退廃、狂気、純真、切なさ、音楽への情熱。
何よりメンバー全員個性的で誰一人キャラがかぶっていず、それでいて危険な大人の魅力というカラーは全員身にまとっている。
こんなクールなバンドはいませんぜ。
ロックは反体制から生まれた音楽だけど荒々しいだけじゃ誰もついてこないと思う、ロッカーっていうのは選ばれた人間しかなれないと思ってるし、同時にアーティストだから普通の人が気づかないようなことを言える、世界へ警鐘を鳴らす、音楽というグローバルな武器を使って。
それができるのが真のロッカー、皮ジャン着てサングラスしたぐらいじゃなれません、ちゃんと信念、イデオロギーがないと。
イエローモンキーのジャム、乗客に日本人がいないからって安堵しちゃいけません、同じ人間がたくさん死んどるんです。
前述したブランキーの悪いひとたち、もちろん忘れちゃいけないブルーハーツ、彼らの曲は世界に向けてのメッセージが非常に強い。
他にもあると思うけど悲しい切ない愛してる、だけじゃダメ。
時には自分の汚い、弱い部分をさらけ出してまで人間の本性を突きつける、その上での破滅的、退廃的な振る舞いがロッカーをより一層輝かせるのです。
海外のアーティストになるともう生き方そのものがロックやね。
ブランキーを聴いてロックにハマった後藤少年はその後ニルバーナに出会いパンクへと傾倒していくんやけどもう眠たいんで機会があればまた今度、おやすみなさい。
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