Kevin Parent ケヴィン・パラン
1994年に出した初アルバム『Pigeon d’arvile』が38万枚という爆発的ヒットを飛ばし、ケベックの音楽シーンに彗星のごとく現れたケヴィン・パラン。同アルバムは90年代に最も売れたフランス語アルバムの一枚となる。ヒット曲「Nomade sedentaire」、「Seigneur」、「Boomerang」などで、ラジオやミュージックビデオのチャートを席巻。デビューアルバムのレコーディングから1年後、ケヴィンはADISQ(ケベック音楽レコード産業賞)のフェリックス賞を複数受賞し、スターの座を見事つかむ。
ケヴィンの曲には、常にどこかで英語が使われてきた。それは単語だったり、文節だったり。曲全体が英語の場合もあれば、英語の曲だけを集めたアルバムを作成したこともある。これはケヴィンが、ケベック州の特徴的な地域の一つ、ガスペ出身であることが影響している。ケヴィンは幼い頃から、フランス語と英語の両方を使い生活してきた。だから英語の歌詞が含まれている曲を書くことは、彼にとって野望ではなく、あくまでも自然な表現方法なのである。そんなケヴィンはもちろん夢も両言語で見るらしい。
ケヴィンの最新アルバム『Kanji』は全曲英語で歌っている。長年かけて研ぎ澄まされてきた曲作りの才能が詰まっており、デビュー当時に似た情熱を感じさせてくれる作品に仕上がっている。色鮮やかにストーリーを語っている曲も多く、それは映画という世界を経験して、他の芸術形式を織り交ぜた曲作りが可能となったからに違いない。共同プロデューサーは、ケヴィン本人と、グラミー賞受賞経験のあるマルコム・バーン(U2、エミルー・ハリス、ダニエル・ラノワ)。編集はグレン・ロビンソン。『Kanji』を手にしたリスナーは、ケヴィンとの距離感が親密かつプライベートなものになっていることに気づくはずだ。他の参加者は、超一流ベーシストのトニー・レヴィン(キング・クリムゾン、ピーター・ガブリエル)、ドラマーのケニー・アロノフ(ジョン・メレンキャンプ、メリッサ・エザーリッジ、ロッド・スチュワート)など。『Kanji』はケヴィンをケベックの外へと連れ出してくれる格好の“乗り物”だと言える。
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