君色の花束を
茜の此の夕焼け空に
彷徨う思ひを貫けば
泪を流す月は
悲壮の色をしている

故に歪む 言の葉の
標は彩り淡く 揺らめくの
心の傷は癒やしない
あの日見たまほろばの夢を見る

泪の跡を靡かせて
祈り結んだ時を織りなす

どうか僕がいなくとも
温もりの業の音忘れない
誰にももう届かない
届きはしない
優しく軋む空仰ぐ

助けを呼ぶ声も枯れ果て
光は徐々に遠のいてゆく
澄んだ眺指しの裏側へ
舟は止まることを知らない
この命絶つ術を
深紅の横顔は慈しみ
黒い影でその道を
染めあげないで

貴方の声が響いている
小さな光が芽吹いて行くの
力一杯に風が動く

「もう決して迷いなどしない」

どうか僕がいなくとも
故の歩んだ彼方忘れない
今、捧げるのこの唄をひとひらの夢
軋む空仰いだら

どうか僕がいなくとも
ふわり散りゆく花弁となり
どうか僕がいなくとも
遙かな明日へと廻るの