高い薬はいらない
少しのどが痛いだけ
熱もそんなにないから
少し寝てれば治るわ
噴き出したたまの汗
拭うタオルに染み込む
すぎてゆく時間だけ
残す記憶は夢の中へ
沈みはじめた布団
渇いた喉が咽せる
手を延ばしても届かない
人が恋しい
誰かの声を求めて
当てもなく持つ携帯
小さな文字を見つめて
音のない声を聴いた
うっすらと霞んでる
甘いグラスをみつめる
白黒の微笑みは
心の中に届かないの
明日になれば必ず
かざすレンズの中
誰かに向けた微笑み
今日を忘れて