等間隔に並んだ光が描く
境界線を踏めずに流されてゆく
遠退いていった陸には暗がる部屋で
取り残したカザミが鳴いている
あなたに向かう心も / あなたに向かう心は
無口すぎる恋で汚した / 凍えすぎて連れて行けない
仕草も、指先も / 北緯34度 置いて行くけど
初めてあなたの虹彩を / 風にさらされて朽ちゆく姿は
見た日のあの / どうか、
後ろめたさも、涙も、 / せめて、
忘れられない。 / 見ないでください。
港町に星の雨降り注ぐころ
何も知らないあなたは僕を待つ
並び並ぶ灯りたちが
蒼いあなたの涙に消えるころ
僕は永遠にあなたを見失う ―――
これから向かう旅路で出会う筈の
美しいものすべてを憎むだろう
いつか溺れ死ぬまで
この命が愛するのは
たしかに
あなただけ
罪悪感が散らかる夜更けの甲板で
平衡感覚破れて目眩がしてる
現実逃避煽って飲み干したシャンパンは
気が抜けて海の味
潮騒、
…。
港町に朝焼けが訪れるころ
蜃気楼にあなたは何を言う?
巡り巡る記憶たちが白い夢の満ち潮に沈むころ
僕を永遠に水面に閉じ込めて
最愛のあなたを憎んでしまう夜は
絶望を越える歌を歌おう
揺らぎ揺らぐ境界線が明く煌めいて船出を見ている
それじゃ、さようなら
…どうか幸せに。
僕は永遠にあなたを見失う。