サミダレ
硬く閉ざした鉛色がかった空模様
路地裏 猫が早足で軒下へ駆ける
頬に零れた雨粒が一筋つたう
ぬかるみがただ 鈍く景色を滲ます

風に吹かれて雨に打たれて
あの日の君は綺麗に立ってた
儚く咲いた黄色い花を見つめて
そっと君が笑った

汚れた靴が足跡をはっきりと残す
今は僕だけ
これからもきっと僕だけ

愛しさだとか温もりだとか
落としたものは見つからないまま
独りよがりの悲しみに暮れただ
ずっと僕は走った

風に吹かれて雨に打たれて
あの日と同じ場所へ駆け出してく
儚く咲いた黄色い花を見つめてそっと君が笑った