『旅立ちのフォルクロア』
雨が降り出すと
世界は優しい嘘に満ちて行く
夢が窓ではじけたら
あの夏は遠ざかる
想い描いてたものと
違う結末になったけど
雨がやめばこの世界は
新しい季節になる
叶えたい願い事ひとつだけ
ポケットに詰め込んで
今宵 月が虹を纏うころ
僕らは旅立つ
坂の途中の木陰には
水の跡が残っていた
ひこうき雲を見送って
風のにおいをかいでた
ざわめく町の騒音が
何かを仄めかしている
僕は階段を駆け下りて
反対のホームに向かった
壊れそうな今という時を
抱きしめたい気持ち
もし君も感じているなら
この手を握りかえして