shepherd

窓の外は雪に染まって
僕達は言葉も忘れて
同じ夢を見るのに
いつからだろう
手に入らないものばかり
愛おしくなって
それを隠すのも上手くなったのは


傘のない二人はきっと
雪解けをここで待っていて
いつまでも溶け合えずに
その名前を呼び合うのだろう


冬の空を飛び交う鳥は
地上を這う影を見下ろした
不自由を妬むように


神様もいないこの地球に
生まれ落ちた二人の願いは
互いの宗教で居られることだけ


―何もない私はきっと
　雪解けをここで待つのでしょう
　この夜に隠れた罪など忘れて
　貴方は盲目の蝶で
　私は色のない花で
　解り合う術も知らず
　その身体を重ねるのでしょう―


誰も居ない空に今　打ち明けるよ
醜い嘘も　無い物ねだりも
その総て　いつか愛せるよう


君だけの僕じゃないってこと
僕だけの君じゃないことも
簡単なことなのに
どうして忘れてしまうのだろう


傘のない僕達はきっと
雪解けをここで待っていて
いつまでも溶け合えずに
その名前を呼び合うのだろう