「大切」の方程式
 
短い一日の始まりから終わりまで 
感じたことがいくつあったのかはわからない
喜ぶこと、悲しむこと、無関心だったこと
理想と現実の間で 生まれた傷が黒く染まる

誰のせいだ 自分のせいか? 
理由を知ることに意味はなかった
汚れかけても手放せない 
積み上げてきた今日が 

震えた

大切なものだって何度も捨ててしまいそうになって
日常の裏側で はりつめた嘘に追われた日常
完璧な憂いの無い 希望は希望で終わりだとしたら
繋がれた涙は繰り返すことにそれを願っている

消えない雑音が指先から足元まで 
感じた事も覆い隠すかのように広がって
役に立つこと、惑わすこと、無関係だったこと
混ざり合った寄せ集めの 一つをちぎって犠牲にした

何のために失うのか つぶやくたび救われる気がした
押さえ込んだいいわけが 
望んでいたはずの今日を 

変える

「大切なものだ」って 鮮明に刻まれて響いたのは
日常の裏側の 叫びで選んだ僅かな日常
代償が突き出した 平衡の痛みに切り裂かれながら
覗いた傷跡は 繰り返すことでそれを見つめていく

確証があれば単純な話 良くも悪くも当然な話
そうやってこれまでを否定するようなやり取りに
包まれた一瞬も 肯定するべき過程なら・・・

大切なものだって何度も捨ててしまいそうになったって日常はいつものように受け入れる
壊してしまうものなんて
過去(きのう)も未来(あした)も同じだけあって
その中の両側で 沈んだ声に 守られた日常
完璧な憂いの無い 希望は希望と思い知りながら
繋がれた全ては 繰り返すことにそれを 願っている