月の虫
壊れそうな この景色を
誰が恨むと 言うのだろう

見えるモノを ただ追うだけじゃ
つまらないでしょう? つまらないの わかっているのよ

色を変えた 子供たちの 笑い声は 遠くに消えた
そのままで そのままで 僕は 飛べるか

街道沿いに 浮かんだ あの月は
君の 声を 奪ってしまった

僕を 置いて 旅立つあの子に
別れ 告げて

羊たちは 夜に食む
壊れそうな この夢を

空の中で 光る星
届くかな 届かないな わかっているよ

うそつきの 羊飼いは とっくに 食べられてしまった
そのままで そのままで 手を伸ばすなんて

悲しみに 浮かんだその顔を 見たいから 潰してしまった
僕を 置いて 行ってしまうんだね これで終わり

今日のことを 悔やんだままで 明日へと 飛んで行けるのかい
絶望と 悲しみは ポケットにしまった

声を ころすさ
何度でも君に 会えるなら 間違いじゃないだろ
僕を 置いて 旅立たせはしない 月の虫よ