黒蝶
居場所が見つからない
街で浮き消え行く 嫌いな感情
ガラス貼られた空
捕らわれた私は 消化不良

「何もかも嫌い」ただ純粋に
そう泣けたら楽なのに
時は駆け抜け動けないまま
死にゆく蝶を目がかすめる

黒い羽を広げて白い月へと舞い上がれ
夜に溶ける前に
想いくるくる廻る
踏みつけた足ゆるめたら
飛んでくれる?

幸せなんかじゃない
街で咲き消え行く
不快な笑顔
割れないガラスの空
見上げる私は 分別不能

「あなたが嫌い」声も言葉も
ぬくもり近づけないで
映す鏡はあれで十分
その瞳に映りたくない

黒い羽を広げて白い月へと舞い上がれ
夜に溶ける前に
想いくるくる廻る
踏みつけた足ゆるめたら
飛んでくれる?

ひらひらと羽を広げる蝶
黒く滲む世界を哀れむように
遠く響く誰かの鳴き声のせては
姿を消す

ビルの隙間隠れて疲れた羽を休めたら
何度だって舞い上がれ
空にくるくる廻るむなしさ
吸い込み数えたら 飛んでくれる?