読み古した本の内容は 全て覚えてしまった
だけど 何度でも読み返す 好きだから
紫陽花のカタツムリが 自分の軌跡を 残していく
ゆっくりと 確かに 前を見据えて
大きな怪獣が 口を広げて 待っている
小さな 葉の上の勇者は 一体 何を望むだろう?
雨上がり
その弓の照準は 紫煙の 空を 狙うだろう
止まることなく 煙の中へと 消えていく
そういえば 昔から そうだった
土砂降りの雨は 嫌いだった
雨に濡れた アスファルトの匂い
歩くのが 嫌だった
大きな怪獣が 口を 広げて待ってる
立ち向かうさ 光のさす方へ
雨上がり
オレンジの世界を 小さな窓から 眺めてみる
止まることなく 時間は 常に歩いてる
作り物のような 厚く 重そうな雲
溢れるほどの 涙をこぼしたら
気が済んだように 行ってしまった
雨上がり
その弓の照準は 紫煙の 空を 狙うだろう
色褪せた街を ペンキで 塗りたくる
読み古した本の内容は 全て覚えてしまった
だけど 何度でも読み返す 好きだから