ちとせ
いつも何かに心を砕き 何かを置き去りにして 時は過ぎた
港から望む島影や 夕闇に浮かぶ山並み 君と見た
みんな 僕をかすめて 駆け抜けて行く

君に 愛を伝えるのは 容易いことだと 思うけれど
いつも 僕は 君のことを 怒らせてばかり いるのだろう

渦のなかから こぼれ落ちた 君を迎えに行く 橋の袂まで
抱き寄せておくれ 授かったままに 君に触れるよろこび 噛み締めて
もう どんなに汚れたって 構わない

町の空は 遥か高く 飛び立つ心の 向かう先は 
こんな涼しい風のなか 蜻蛉が横切る いつもの道

君に 愛を伝えるのは 容易いことだと 思うけれど
いつも 僕は 君のことを 怒らせてばかり いるのだろう