胸に開いた風穴
ひとつふたつ、と、数え
また、増えるたびにそこから
こぼれ落ちた 吐息
煌いた夏の姿、も
鮮やかだった筈の日々、も
遠ざかり、いつか忘れてしまう、と
仕方がない、と
笑顔で呟く眼に
揺れていた影の
名前と、その意味
今は全部、
受け止めることが出来るかな
思い出と
不意に撫でた秋風
夏の名残が薫る
その忘れかけた熱から
呼び覚ました 涙
終わり無い、優しい日々、と
思い込んでいられたのなら
いつまでも、きっと、幼いままでは
いられない、と、悟った子ども心
震えてた声にかくした 我侭
駄々こねてた姿、時と共に、流れて
もう、いないよ
生まれくる、日々の中で持ちきれず
繋いだ指も離れてしまうけれど
今はただ、一人、もつれた足踏み
前に進むことは、まだ、出来そうも無いけど
「もう、大丈夫。」