気付けばもうすぐそこまで次の季節が来てる、ああ、新しい服を買わなくちゃならないなあ
冷たくなってきた風が涙を誘う、もっと寒くなるころには君はもういないんだね
平日昼下がり、人もまばらな田園都市線揺られて、君の街へ会いに行く
まるで何もないみたいに君は笑って、寒くなってきたね、と温かいココアを頼む
いつも君と来ていたこの店もあの店も、君が今飲んでいるココアとももうサヨナラだよ
きっと、今日あったあんな事やこんな事をいつか、幸せだったなあ、なんて思うんだろう
大丈夫、忘れないよずっと覚えているから、ニットの先からのぞくその細い指も
旅立つ君に「おめでとう」言ってあげたいけれど、天邪鬼な僕の心が騒いでいる、
そんなに笑顔見せないで、どうせなら泣いてみせて、そうしたら僕は君に声をかけられる
月明かりが照らす君の幸せそうな寝顔にそっと呟く、「じゃあ、またね」