月は雲に隠れて
風はそっと抜けてゆく
雨上がりの道には
仄かに染める花びら
『あぁどうか散ってゆかないで』と
願っても儚く落ちる
その花びらを手にとって空にかざす
散ってゆく桜の花びらにこの思いを
切なさが増すだけで君には届かない
届かない
強い雨に打たれて
散って行ったのだろう
月の光が照らし
青白く悲しそうに
あぁこの隠した思いも
いつかは落ち行く物なの?
見上げた月とその花を
重ね合わす
きっと僕は桜の花びら君がみても
多くの中の一つにしか見えてないだろう
だけどいつか散るときに気付いてくれる
そんな花びらになれるのなら幸せだな
幸せだな
満月の白い光は
君にも届いていますか?
切なすぎるその光に
思い託す
世界が終わる時でも僕は祈るだろう
君の心に光が届きますようにと
抑えきれないこの思いをあの夜空に向けて
ため息と共に遠くへと白い息は消えた
すぐに消えた