暗闇から生まれてきた。
大いなる母の産道を抜けて。
世界はまだ子供で。ヒトは森で、森はケモノで、ケモノはヒトで。
ただ。光あふれ。喜びあふれ。
ヒトはまだ弱く。悲しくつらいことばかり。
だからヒトは答えを探した。
やがてヒトは増えて、ヒトだけで暮らし始めた。
そしてケモノの言葉を忘れてしまった。
ある日オオカミが訪れて、ヒト達に話しかけた。
「ハロー、ブラザー。調子はどうだい?」
だけど全てを忘れしまったヒトは斧を投げつけた。
追われながらオオカミは悲しくて泣いた。
アイ・アム・ふぁーすと・まん 星々のゆらめきを
アイ・アム・ふぁーすと・まん 音のない音の記憶を
探し続けた答えは見つからず。
ヒトはいつしかあきらめてしまった。
手に入れた新しい力で世界を変えれると思い込んだ。
満ち足りたあの頃を忘れ、世界への扉にカギをかけて。
そしてヒトは王様になってしまった。ひとりぼっちの裸の王様。
捨てられないモノを作り、作り出せないモノを壊し、
返せないモノを奪い、生み出せないモノを殺し、
この星も。水も。空気も。土も。国も。未来も。命も。キミも。ボクも。
いったい何を探していたんだろう。いったい何を欲しがっていたんだろう。
いったい何を信じていたんだろう。いったいどこへ向かっていたんだろう。
アイ・アム・ふぁーすと・まん 星々のゆらめきを
アイ・アム・ふぁーすと・まん 音のない音の記憶を
ユウ・アー・ふぁーすと・まん 海に眠る砂の光を
ウィ・アー・ふぁーすと・まん その胸に埋もれた記憶