三日月
最終電車の中で 思い描く君は今日もあの頃のままで
僕は理由もなく 遠回りして帰る

今、この頬をすべり流れる白い息を呑み込んだ空に
君は居るのでしょうか
其処に居るのでしょうか

僕を笑う様な空に背を向けて 遠回りして帰る

街に浮かぶ灯りと入れ違いに映るカーテンの空色は
君が最後まで流さなかった 涙の色に見えた

例え、今日で僕の世界が終わりを告げても
降りやまない黒い雨

このまま どうせ使い捨てのスケープゴートと化すなら
せめて君の代わりに夢を見たい
でも、この窓辺に映る東京の天の川に
僕のため灯るアカリは 今夜もない

見上げれば終わる事のない濁った空に
三日月が笑う午前二時
擦れた声と共に僕の祈りは続く
悲しみに包まれた街は眠らない

どうせ使い捨てのスケープゴードと化すなら
せめて君の代わりに夢を観たい
でも、この窓辺に映る東京の天の川に
僕のため灯るアカリは…

僕を笑う様な空に背を向けて 遠まわりして帰る