終わりの季節
部屋の窓開けて夜
風がただカーテン揺らす
映る景色ここにはなく
飛行機の音が胸に響く

それは途切れながら過ぎていった季節
僕らふと話しかけて笑う
立ち止まる一瞬のすべての中で
目を閉じ秋風に舞う

遠くなった影の残像だけ駆け抜ける
夜を走るうつむき加減の姿勢
夏の夕暮れのにおい思い出している
その暑さ まどろむ風 少し白くぼやけて

痛みだけ消えないように
この部屋は失ったものを探す

その懐かしい声が遠くで笑う
僕にふと話しかけて消える
なんとも言えない表情で
僕は薄目開ける からっぽのまま

遠くなった影の残像だけ駆け抜ける
夜を走るうつむき加減の姿勢
夏の夕暮れのにおい秋の空に残る
その部屋で その中で くり返し何度も思い出していた