預言者たちはお見通しの振りをして
来るべき時を畏れるように促した
パイドパイパーの旋律だって退屈で
連れられていく友達を見送った
「時間はどこまでも正直者なの」
怯えた少年は時計の針を外した
雪化粧した街にも向日葵咲かせて
雲の陰から顔を出す太陽に負けないくらい
二万マイルの暗闇、それすら照らして
全てを白日に晒して
君に見えるように
螺旋構造の配列に手を加えて
つくられたヒーロー、そんなのは偽物さ
現実はどこかが歪んでいるから
真球は未だに存在しないまま
超新星を容易く上回る温度で
君がこぼした涙もプラズマに変えてしまうよ
絶対零度の夜も声で揺するだけで
少し暖められるんだ
魔法みたいにさ
坂道の途中で手放したものとか
いくつもあって忘れてしまうけど
心を奪われたおとぎ話だけは信じていたい
針を外した時計も終わりゆく星も
誰も止められないんです、秘密の約束
遠ざかる笛の音色や預言者の声に
騙されてしまわないように
耳を澄まさなくちゃ
世界は君のもの