アジサイ
冷たい雨が降る街をひとりで歩く
すれ違う誰かの顔がにじんで消えた

つまらない偶然に少し期待したりして
傘の揺れる夜の中に君を探すよ

アジサイが咲く頃 雨が降るでしょう
そのとき残った思いさえ 流してくれるでしょう


君のいない今年の雨もアジサイを咲かせた
気付いたらもうこんなにも時が過ぎていた

君のいた季節を僕は思い出してしまった
君もどこかで僕のことを思い出しますか

アジサイが咲く頃 君は笑ってるでしょう
ゆっくりと僕はただ君を忘れるでしょう

アジサイの花のような 君のいた時間の
思い出を抱いて僕は歩いていくでしょう