蛍光河
蛍光河

カラン、カランとラムネのビン
脳を揺らす塩素の匂い
デジャブを覚えて少年は
少ない引き出しを漁った

自分探しの旅に出る
世界は今日もこの部屋だけ
自己満、青春の「せ」の字もない
...っでガラパゴス化が深刻化

ベガもデネブもアルタイルだって
イマはもう居ないかもしんない
だけどちゃんと光って見えてる

誰もそれを見てなくても
事実として光っていて
当たり前に光って見える
君が羨ましくてどうでもいい

真っ暗川沿いの草むら
必死で光を追いかけた
目の前で光ってる不思議
僕にしかわからない感動

白鳥だってワシも琴も
そうは見えなくたって皆が
そう呼ぶからそう見えるんだ

誰も僕を知らなくても
個体として呼吸してて
当たり前に寄り添っている
君の熱が愛しくって

天の川も大三角形も
目が悪くなって、見えなくなって
でも納得して歳を取るんだ

夏も冬も願わなくたって
定義として巡ってきて
僕の心挿げ込んだって
誰かの空は誰かの青

誰も「もう見れないんだ」って
探すこともしなくなって
当たり前に僕は見てる
夜空を泳ぐ君を

誰もそれを見てなくても
そこでイマも光っている

見てなくても
光っている