世界の終わり
2011/8/31
世界の終わり

もしも世界が明日、突然終わるとする。
明日の00時00分に、すべて終わるとする
「みなさまお疲れさまでした。
お忘れ物のなきように。」

さあどうしたもんですかと、一応考えるふりして
だけどそれは芝居で、大事なものは全て
全部ここに置いたままにして、
僕のやることは決まっているんだ

まず彼女に電話して、今までありがとう、そしてさようなら、

きっと彼女は泣くね、だけど別れを告げて
そのまま携帯は捨てて、卒業アルバム開いて、
少ない情報頼りに、
君の住む街まで行こう

もうかれこれ何年経って 僕も恋を重ねて、
ゆるんだ涙腺もしまって、とうとう声も忘れた
でも残りわずかな時間で
君の住む街まで行こう

そして君に会うんだ、どんな顔するだろう

ビルが崩れる音を、BGMにして
人が消えてく様子を、背景にして
戦々恐々の町を走ってでも
僕は探すよ、君の姿を

あれは何、あれは空から降る槍の雨
君への思いを盾にして、電光石火で走るよ
あれは何、あれはまさか邪悪なモンスター
君への思いを剣にして、狙うは首よりも上だ

あの日以来もうずっと、死んでいた僕が
初めてこの日、血沸き肉躍る
目の前に咲く、コスモスなんか踏んで
混沌に咲く、君の姿を、探しに行くよ

もちろんこれ首尾一貫して、完全フィクションストーリーで
もはや血迷いごととして、聞き流してもらっていい、
でもたぶんきっとおそらく
突き詰めてしまえば極論
君に会えるならもう 世界の終りすらも 好都合だよ