彗星さんが星を掃いたあと
取り残された そう 僕はチリ
誇れるものはなに一つない
そう ただただ 宇宙を泳ぎ続けてる
だけど 昔話は語る
僕は誰かの願いかなえれる
僕は両手に力を込めて
願い続けてみたけれど
なにも起こることはなかった
あなたみたいに
なれればいいな
遠くで輝くオリオン座さんに
いつも夜空をステージにして
誰かの心動かし続ける
あんな風になりたいな
「父さんあの星は きれいだね」
瞳 輝かせる少年
「あぁキレイだ オリオン座だよ」
博士になるのか 頬を緩め喜ぶ父
「僕の夢は、オリオン座だよ」
少年は空に 手を伸ばす
「願い事流れ星にすれば
お星さんが夢を聞いて
お前のために叶えてくれるのさ」
流れないかな 空一面に
降り注ぎ続く 星空のシャワー
力込めて 両手握りしめ
空に祈るよ 夢を叶えてよ
あんな風になりたいな
地球の内側に響く
少年の祈り声
地上から雲を突き破って
夜空を駆けぬけた
祈り声に命は宿りこむ
その手を伸ばし始めた
掴んだその手に残ったのは
宇宙をさまよう小さいチリ
祈り待つ 主人のもとへ
少年のもとへ
この手に つかんだ祈りは
大気圏に燃えた
ひとつの光が 少年の瞳に映る
少年 未来の星になった