僕らは予報外れの雨に
降られて びしょ濡れ 慌てて雨宿り
君は濡れた前髪をやたらと気にして
僕に背を向けて 鏡を覗き込んでる
辺りに 雨音だけがうるさく響きわたって
古びたタバコの自販機の光がチカチカしてる
ここらへんで 何か 会話があるべきだ
そんなことを考えたりしているけど
君の透けたブラウスのすそが気になって仕方ないんだ
僕は何を見てる?
君の肩は小さくて
それを知ってか知らずか
君はいきなり振り返って
背中をしたたかシャッターに押し付けてしまった
埃まみれ ドロドロになった背中を見て
君は また叱られちゃう なんて苦笑い
そんな風に
なんでもない表情でさえも
誰より愛しい君の肩に光る
淡いピンクの紐のラインが
気になって仕方ない
なんだかなぁ
僕のこんな気持ちは君に伝わるのかな
でも誰より愛しい君の肩を
抱き寄せることは悪い事じゃないだろう
そんなこと
考えて黙り込んでると
君はふくれっ面
弱くなった雨の中を
今にも駆け出しそうだ
僕は何をしてる?
早く追いかけていかなくちゃ