夏草
格子の戸を動かして ススだらけ宿を出たら
牡丹杏ほおばってる 恋人ははしゃぎすぎて
帰り道も 見失ってしまった子供さ

夏草に寝転んで切ない素肌が 指先触れた
夕映えの中君が夢の様だから 声を聞かせて


通りをかけまわるのは 幼い夏の幻
水田にゆれる影と にぎやかなセミの声さ
どうしてこんな 君に魅かれてしまうよ

幾千の夜の向こうその胸の中で 僕をとかして
移ろう雲のように身を任せるのは ただ君だけさ

夏草に寝転んで切ない素肌が 指先触れた
夕映えの中君が夢の様だから 声を聞かせて